お茶の歴史

●お茶の歴史、あれこれ

お茶の木はもともと日本に自生していたヤマチャという説と、中国から伝来したという説があります。公事根元という古い書物には、天平元年に聖武天皇が百僧にお茶を賜ったと記されており、この時にはすでにお茶は飲まれていました。しかし、お茶は一般庶民の飲み物というよりは、貴族など限られた人のもので貴重品でした。また、お茶の飲み方も煎茶を急須で出すのではなく、餅茶といって固めたお茶を削り、それを煮出して飲んでいたのです。その後、お茶が武家社会、さらに庶民の飲み物となるきっかけを作ったのは、鎌倉時代の栄西です。栄西は禅宗を学ぶため中国へ渡り、経典とともにお茶の種子を持ち帰りました。抹茶法と呼ばれる喫茶の方法も伝えました。栄西からお茶の種子を譲り受けた明恵上人は、その種子を京都郊外の栂尾に蒔きました。ただし、この頃のお茶は武家社会で見られるように抹茶であったと思われます。煎茶はもっと後で、室町・江戸時代に入って盛んになり一般的になりました。ところで、奈良県では唐より空海が持ち帰ったお茶の種子を堅恵大徳が室生区佛隆寺に蒔いたのを始めとします。

●お茶は万病に効く万能薬

お茶の発祥地と一般的に言われているのは中国です。陸羽の記した『茶経』という書物には、「茶の飲たる神農氏に発する」と記されています。中国古代の神農が野山のあらゆる草根木皮を食べているうちに、お茶の薬効が見つかり、飲んだというのが歴史の始まりです。『神農本草』という本によりますと、中国では最初、薬として飲まれていました。特に解毒剤として使われており、嗜好品としてお茶が飲まれるようになったのは、宋時代以降のことです。日本では、栄西が『喫茶養生記』を著して、そこには「茶は養生の仙薬なり」とあります。仙薬と聞いて思い浮かべることは、万病に効果があるということ。今の現代に言い換えると病気を予防する健康食品的なものと言えるでしょう。

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